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Nov 4, 2016

11月4日

「死刑台のメロディ」という映画を自宅でDVDで見る。1920年代のアメリカで、イタリア系の移民男性2人が、あからさまな人種差別・移民差別に裏打ちされた冤罪で、死刑においこまれてしまった、という実話にもとづく映画だ。ジョーン・バエズが主題歌を歌っている。検察官や裁判官にも、イタリア移民への見下し感、差別感がありありなのだが、そんな憎々しい彼らたちも含めて、セリフはすべてイタリア語だった。おそらく、イタリアで封切りされたときの吹き替え処理が、そのまま反映されたDVDなんだとおもう。ところどころイタリア語の字幕も出てきたから。そのため、イタリア対アメリカ、という人間関係の大前提を実感しづらく、ちょっとその点は残念だった。見ごたえはすごい映画なんだけど。これ、封切り当時にイタリアで見たイタリア人は気にならなかったのかなぁ。

それにしても、思う。イタリア移民を露骨に嫌悪するアメリカ人たちだって、そのほとんどが、もとをたどれば欧州から渡ってきた移民の子孫なんだよなぁ。1920年代だから、子孫どころかその本人が移民一世という輩も、たぶんまだ、いたんだと思う。自分たちのルーツをうっちゃっておいて、棚に上げておいて、あの振る舞いは一体、なんなのかなぁ。見ていて悲しくなった。そしてこれは、アメリカ人に限ったことじゃないよなぁ、ともしみじみ感じた。移国民との交誼が、これからますます切実になっていく日本のぼくたちが、いま再見するに値する映画だと思う。