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Oct 15, 2017

歌舞伎座のマハーバーラタ

歌舞伎座。マハーバーラタを拝見。

いまのインドという国は、建国の父ガンジーが信条とした「非暴力」が、実際のところ本当に可能なことかどうか、という厳しい現実を、パキスタンとの分割のいきさつなどを通じて苛烈に問いかけられながら、国をスタートさせている。はからずも同じテーマが、古代の物語であるこの作品にも描かれていたわけで、、、人々の問題意識にも輪廻転生というものがあることを、個人個人の程度の差こそあれ、みんなが実感にたずさえている、、、それがインドという国なのだとぼくは考えています。

そういう「古くて新しいテーマ」に真っ向勝負をかけた芝居だなぁ、と感慨深く観劇した。それにまた、カースト制度の是非を問う人物設定、(非暴力ともこれは関係するが)憲法9条を改正するかしないか、集団自衛権を認めるか認めないか、、これからはそういうことを、みんなで自分たちできちんと考えてみようよ、という、現代の日印両国への問題提起にもなっている。神さまは結論に導いてはくれないよ、人間たちがどうしたいのか、していくのかを、じっくり見守っているんだよ、、、というあのラストシーンは、すごい。

これは、どちらかというと、ふだん劇場に足を運ばない、男たちこそ、必見の舞台だ。
国会議員、政治家の皆さん、、、どの党、どんな主義の人であっても、万難を排して、、選挙中であっても、どうかどうか見てください。見てほしいです

そして、そういうテーマ設定や問題提起が、とかく「おいといない人たちの贅沢な、浮世離れした趣味」と見なされがちな歌舞伎にも、力強く、なおかつエンターテイメントとしても見ごたえ充分に、出来るんだ、描けるんだ、という証明を立派に果たした!

それがまことに尊いと思います

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