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ごあいさつ

歌舞伎ソムリエとは

2015年7月に亡くなられた劇団文学座の代表・俳優の加藤武さんは、大の歌舞伎通、歌舞伎愛好者でもありました。その加藤さんをシェフ、水谷彰宏アナウンサーをギャルソンに見立てた、歌舞伎の食わずぎらいをなくすためのレストラン「歌舞伎バラエ亭」、という楽しいコンセプトの番組が、初期のNHKハイビジョンで放送されました。1997年8月の一か月、全20回くらいのシリーズ企画でした。

ぼくは、このバラエ亭に、ソムリエとして「勤務」していたのです。番組ゲストに、その回に映像で流す作品のみどころを、打ち合わせのときからお話したり、番組本番中は不慣れな歌舞伎の立ち回りにチャレンジしたり、白塗りのお化粧のモデルになったり、いろんな経験をさせていただきました。

自分自身をさらけ出し、自分自身がたのしみ、そのエネルギーもろとも、お客様に歌舞伎のたのしさを伝える、というこのコンセプトが、そのままぼくの、現在の活動スタイルまで続いています。番組スタッフの方たちからもご了承をいただいたうえで、自分のことを、歌舞伎ソムリエと名乗っているのは、こんないきさつ、経緯があってのことです。
歌舞伎の解説者、じゃなくて、ソムリエ、なんです。みなさまとの楽しい、なごやかなコミニケーションのなかで、歌舞伎を活き活きと伝えていくんだぞ、おれは、といつも自分に言い聞かせております。

このホームページの製作期間中、くしくも、加藤武さんの訃報に接しました。歌舞伎ソムリエ誕生の大きなきっかけ、源泉ともなってくださった、たいせつな恩人です。なにより、歌舞伎をピュアに愛していらっしゃいました。それが素晴らしかった。ステキな大先輩でした。
これからの活動の様子が、加藤さんにも届くように、精いっぱい続けていきます。シェフ、本当にありがとうございました。これからも見守っていてくださいね。全力でやりますから!!


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経 歴

おくだ健太郎 歌舞伎ソムリエ
1965年名古屋市生まれ。

名古屋市内の東海中学・高校を経て早稲田大学政経学部入学で上京後、休学してのアメリカ生活において、ジャズの研究家との交流を通じて、自国の文化・芸術への関心が高まる。帰国後、歌舞伎座の立ち見席(幕見席)に通いつめ、芝居に肌感覚で親しむようになる。

大学卒業後、劇場の同時解説イヤホンガイドの貸し出し勤務のかたわら、同解説員となり。のちに解説に専念。2019年の夏をもって、イヤホンガイドの解説員から、いったん離れる。

現在は雑誌やメディアでの著述、ユーチューブ発信、
「おくだ会」と称するトーク会や観劇会など、さまざまな形で、歌舞伎の魅力を楽しく伝え、歌舞伎を通じた楽しい交流、人のつながりを育てている。趣味はジャズピアノ、旅行など。

●公式YouTubeチャンネル おくだ健太郎 歌舞伎ソムリエ