okken.jp
May 3, 2021

芝居の屋根

コロナで公演がままならないが、瀬戸内海に浮かぶ小豆島でも、地芝居がむかしから盛んだ。春と秋、二ヶ所の集落で熱演が繰り広げられる。

演技はもちろん、茅葺きの舞台の佇まいが、素晴らしい。30年ごとに、代々吹き替えの技術と作業を受け継いできた。この写真は、吹き替えから年月がそれなりにたっているので屋根は褐色だが、吹き替えたてだと、まっさらな畳と同様に、青々としている。

吹き替えの年の公演を見に行ったとき、そのことについての、舞台挨拶があった。世話役の男性が

30年、、、この「30」という数字が大事で、これより短くては吹き替え資金の捻出が厳しくなるし、長いと、以前に屋根に上がって作業をした者が、やはり上がって技術を指導するには、身体がしんどくなるし、下手したら亡くなってしまうかもしれない。本当にこれしかない、という間隔なんですよ、30年というのは

時おり振り返って屋根を指さしながら、しみじみ語ってらっしゃった。いとしそうなまなざしだった。

あぁ、芝居だけじゃないんだ、こういう技術のバトンも、受け継いでいくものなんだなぁ、と感慨深い見物になった。コロナに屈することなく、これからもこのバトンが、受け継がれ続いていくことを、願ってやまない。