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May 24, 2021

定九郎

梅雨の晴れ間に、地元名古屋の落語会に友達と出掛けた。「中村仲蔵」が出た。夏の真夜中のどしゃ降りの山道。旅人をつけ狙う残忍な悪漢・定九郎の大胆、斬新な役づくりに精魂をかたむける江戸の役者のさまを描く人気演目。歌舞伎の名作「仮名手本忠臣蔵」にまつわる噺だ。

晴れ間、と冒頭には書いたけど、ちょうど今の時節・梅雨時との、季節感の一致が、なんといっても気持ちいい。芝居や芸能の番組立てに、やっぱり「季節感」というファクターは大事だなぁと、しみじみ思う。

定九郎の場面は、忠臣蔵の五段目にあたる。おなじみ早野勘平の腹切りの悲劇・六段目の伏線となる、ドラマの展開の上でも大切なくだりだ。今月の歌舞伎座は、コロナゆえの上演時間的の制約で、五段目を省いて六段目を上演せざるをえない。物語の起承転結をしっかり味わう点でこれは明らかにハンディであり、なんとも残念である。コロナ、早く終息して欲しいなぁ。