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Nov 29, 2021

あいもかわらず、が、いいんだなぁ

年の瀬の京都の風物詩・南座の顔見世歌舞伎が、ことしも開催されます。

四条大橋のたもとの劇場正面に、出演役者の名前を記した「まねきあげ」の看板がずらりと並ぶ、、、何度見ても、いつ見ても、こころがウキウキする眺めですが、この華やいだ雰囲気とはある意味対照的に、顔見世興行のポスターやチラシは、毎年、演目名と役者名を列記しただけの、シンプルなデザイン、レイアウトのものがずっと継続されています。

これはこれで、味があるんですよね。

京都も今や、あちこちが新しい町並みに移り変わっていますが、それでも、祇園や先斗町など遊興街にしても、その他の商業地域にしても、和風なつくりの壁、塀が、ほかの市町村に比べると、やっぱり豊かに残っています。

もとから保たれたそういう環境には、役者や登場人物の写真などを多用した、グラフィックにまとまったチラシやポスターよりも、簡潔に文字情報だけのデザインのほうが、すんなり溶け込むなぁ、と、京都を歩いていて顔見世のポスターやチラシに街角で出会うと、よく思うんですね。あくまでもぼく個人の感覚・好みかもしれませんが、、、

変えようと思えばいくらでも変えられるんだけど、でも変えようとはしない。こういう姿勢は、たとえば最先端のビジネスの現場などでは、よろしくないとみなされ、槍玉にあがる最たるものかもしれません。でも、こういう「ゆるやかさ」があってこそ保たれていく味わい、雰囲気、社会の余白・余情のようなもの、、、文字情報だけの、「あいも変わらず」感たっぷりな顔見世のチラシを見るたびに、そんなことを考えるのです。