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Feb 21, 2022

ドタキャン

友達との会食や飲み会を、仕事が入ったから、と、約束のまぎわにキャンセルする人は少なくない。ぼくも、正直、してしまうことはある。

もう亡くなられた方だが、公私ともにお世話になり、いろんな点で憧れた先輩・ぼくにとってのメンターのお一人は、そういうキャンセルも、というか、むしろ仕事が理由だからこそ、れっきとしたドタキャンだ、と断言なさっていた。

仕事>遊び

という優劣・序列が、そういう人たちの気持ちのなかにはあからさまにはびこっている、しみついている。その優先順位を当たり前だと決めて疑わない、その卑しさがたまらなく嫌だ、と言ってはばからなかった。

先輩は、すでに決まっていた遊びの予定に、仕事があとでかぶさってきた場合も、それがどんなにカネになる仕事でも、どんなに多人数が関わっている仕事でも、必ず断っていた。それがためにその業界で評判を落としたり、稼ぎが振るわなかったり、という苦労も絶えなかったが、断固として自分の流儀を貫かれていた。

仕事だ遊びだ、と軽々しく線引きして決める人が多いが、ぼくにとっての遊びが、ほかの誰かにとっての仕事の場になってるかもしれないし。それを思うとぼくは「先約を優先する」という物差しでしか生きられないし、生きたくない。

そんなふうに照れくさそうに、ぼそぼそ話してくれた。カッコいい人でした。

おくだ君みたいな仕事も、ドタキャンに悩まされがちだよなぁ。でも、めげずに頑張りなよ。

何度もそんなふうに、励ましてくれたっけ。懐かしい。会いたくてたまらない。あのぼそぼそ声が今も、耳の奥に響いている。