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Nov 23, 2020

小春日和

小春日和が続く。一日一日と日照時間が短くなっていくこの時期、太陽の光の嬉しさ有り難さは、たしかに格別である。そういう気持ちを、すなおに、小さな春、という呼び方に、むかしの人々は込めたのだろう。暖かく日が照っている場所を「日だまり」と表したのだろう。

月の光、虫の声、美しく色づき、やがて寂しく枯れていく木々の葉、すすきの原野、、、秋・晩秋の風情は歌舞伎の舞台にもさまざまに描かれているが、小春日和のほかほかとした雰囲気を取り入れた趣向や場面は、ぼくの知るかぎりでは、思いうかばない。芝居で伝えるのが難しい季節感なのかもしれないなぁ。