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Feb 8, 2021

烈女・政岡に、「女」を感じる

むかしの既婚女性は眉毛を剃っていた。そのことは歌舞伎の女形さんのお役の化粧にもきちんと反映されていますが、なぜなのかな、同じ芝居の同じ登場人物、、、この写真でいえば政岡(まさおか)という、大名家のお坊っちゃまの乳母ですが、、、で見比べると、歌舞伎よりも人形浄瑠璃のお人形で見たときのほうが、眉毛を剃っていることが、より際立つ気がするんです。観劇していていつも思う。

もっというと、眉毛を剃ってあることが生み出す女性美・色気。お人形からのほうが、そのことがより鮮明に伝わってくるように思うんです、ぼくは。なんか、ぞくっとするんだよね。歌舞伎で政岡を見ていて、べっぴんだなぁとか色っぽいなぁとか、まず思わないんだけど(そもそもそういう内容の芝居じゃないし)、なぜか人形には、それが、あるんだよなぁ。

乳母だから、彼女は、幼い子供相手に、しょっちゅう乳房をさらけ出してきたわけで、、、その姿をナイショでのぞき見したくなるような、男のスケベ心に火をつけかねない色気。お人形の政岡には、そういう母性や肉感の女らしさがあるんです。少なくともぼくにとっては。だって、ほら、綺麗でしょ?

2月の文楽公演・東京の国立劇場にて(小劇場)
https://www.ntj.jac.go.jp/…/kokuritsu_s/2020/32100.html