Jun 6, 2022
襲名
海老蔵が團十郎を襲名する。やっと決まった、よかった、と歌舞伎によく馴染んでいる人、歌舞伎の襲名というしきたりに馴染んでいる人は、ポジティブなリアクションをする。
しかし、歌舞伎に馴染みがない人にとって、果たして襲名というシステムは、本当にプラスに機能しているのかな。
すでに海老蔵という名で浸透している知名度や人気度を、薄めたり混乱させたり、、その程度の意味しかないんじゃないか?
ぼくは近頃、自分の生活環境のこともあり、歌舞伎以外の、歌舞伎とは接点がない人との付き合いが圧倒的に多い。だからよけいにそう思う。歌舞伎に馴染みがない人には、そもそも襲名という仕組み自体が、ややこしすぎて、実態感がなくて、ピンとこない。
歌舞伎の物差し、歌舞伎の価値観、だけで考えていると、歌舞伎はどんどん、社会から切り離されてはいかないか?
そのことに、ふと、憂いを感じます。その世界における従来の常識を、第三者的にフラットな目線で疑ってかかる姿勢も、これからの時代は、大事だと思う。