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Mar 14, 2018

感想戦

180425

囲碁や将棋のプロの対局のあとには、必ず「感想戦」を丁寧に行う。勝った者と負けた者とが、共にこころを通わせながら、戦いのプロセスを振り返り、あそこはああすればよかった、あの選択もあった、と、お互いの勝負師としての未来に向かって勉強を協力しあって進めるわけだ。囲碁将棋文化の、これは、一番美しい側面だなぁと、ぼくはいつも感じている。国と国とがこの手間をいとわなければ、戦争だって、もっと、なくなっていただろうに、いくだろうに。

決着がついている以上、反省と共に、多少の後悔も、敗者のなかには入り交じっているのかもしれぬが、でもこれは、意味のある後悔、前向きな後悔、戦略的な後悔なのだと思う。世の中にはそういうポジティブな後悔もあるのだ。後悔するからには、後悔をゼロには出来ないからには、いい後悔がしたい。後悔の仕方が上手くなることは、人生をより良くしていくコツなのかもしれない。そして、後悔が全くない人生は、逆にかえって味気ない、薄っぺらな生き方なのかもしれない。