Sep 28, 2019
クリムト展
豊田市にて、クリムト展を見る。点数をしぼった、切れ味のいい展覧会。会場自体の素敵さとのバランス、一体感が気持ちよかった。
![](http://okken.main.jp/wp/wp-content/uploads/2019/09/70960086_2579006572156286_3924535682504065024_n-600x338.jpg)
若い時代の、基礎のたたき込みかたが、やっぱりこの人も、すごい。自分で白紙に方眼マス書いて、そこにモチーフをはめて描きこむデザイン訓練を何度もしている。大画面を手掛けるにあたっても、思うに、架空のマス目、方眼が、あたまのなかに自動的に浮かび上がっていたのではないか。作家個人の展覧会でけっきょく一番おもしろいのは、ぼくの場合いつも、その人がその人になっていくまでの、修行のプロセスです。
![](http://okken.main.jp/wp/wp-content/uploads/2019/09/71273985_2579006635489613_1874736603180564480_n-600x338.jpg)
大家になってから集中的に描きはじめた風景画、という展示コーナーにも、いろんなことを考えさせられた。創作活動していくなかでの、精神のバランスとか、気持ちの切り替えとか、いろいろあったんだと思う。そして、彼は、一種の、性愛依存性でも、あったと思う。ひところのタイガー・ウッズやチャゲアスの飛鳥、野球の清原をふと考えた。才能や成果に恵まれた者にしか実感できない苦しさ。節目節目で死別した肉親の多さ、などなど。画業と実人生のしがらみが胸にせまる。